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地域産業資源紹介


桑の枝(左)と桑の実(右)写真提供 長田養蚕

■指定されている場所:八王子市

八王子は古くから養蚕(ようさん)や織物が盛んだったため、「桑都(そうと)」という別名を持つほど、八王子と桑は密接な関係がありました。

桑とカイコの関係

桑はクワ科クワ属の落葉性高木の総称です。カイコの餌として桑畑に植えられている種としては、中国原産のマグワMorus alba)や、日本全国の山地にも自生しているヤマグワMorus bombycis)があります。江戸時代前期まで、日本は絹糸や絹織物を中国からの輸入に頼っていました。しかし、江戸時代後期に入ると、幕府は農家の副業として養蚕を奨励したため、各地でカイコが育てられ、そこから絹が作られました。カイコの繭(まゆ)を鍋で煮て、柔らかくなると繭から手作業で糸を取ります。一つの繭から引き出される絹糸はすべて一本につながっています。そして、一つの繭からは600~1500mの長さの糸が取れます。着物1枚を1反(たん)の布から作る場合、約3000個もの繭が必要になります。1匹のカイコが繭になるまでに必要な桑の葉は、およそ10枚(約50g)なので、着物1枚のために、大量の桑の葉が必要となります。

桑の様々な利用法


桑の葉を使った菓子撮影協力
道の駅八王子滝山

桑の葉はてんぷらにしたり、茶葉にも利用されています。桑の実(果実)は、赤い色から熟すと赤黒くなり、柔らかくあっさりとした甘さと酸味があります。桑の実からはジャムサイダーワインが作られています。また、マグワの根皮は「ソウハクヒ(桑白皮)」と呼ばれる生薬の原料になっています。さらに、桑の木からは様々な工芸品が作られています。

八王子と葉酸

八王子の西側は山地が多く、東側には「八王子盆地」があります。八王子盆地は、川口川や北浅川、南浅川等の川の本流や支流によって運ばれた砂礫の上にできた扇状地です。低地は砂礫が多く、水田耕作に向く土地が少なく畑が多い地域だったため、それを補うために養蚕や機織りが重要な産業となっていました。そして、砂礫の水はけが良い土地は、カイコの餌となる桑の生育にちょうど適しており、八王子盆地一帯は広く桑の木が栽培されていました。戦後、化学繊維の発達や農業人口の減少などにより養蚕業は衰退し、桑畑も激減し、跡地の宅地化が進みました。現在では、文字通りの桑を用いてカイコを飼っている養蚕農家の数は極めて少なくなりましたが、「桑」という字や、桑の英語の「マルベリー(mulberry)」という言葉が八王子に関連した様々な名称に使われています。

八王子駅のシンボル「マルベリーブリッジ」のオブジェ


マルベリーブリッジの絹の舞オブジェ

JR八王子駅北口の2F連絡通路からバス停への橋は、「桑の橋」を意味する「マルベリーブリッジ」と呼ばれています。その中央には、「絹の舞」という名前のオブジェが置かれていて八王子の「八」の字が描かれています。説明板によれば、八王子城をイメージした塔に絹を八の字に巻きつけた様子を表現したものです。

桑並木通り


桑並木通り

八王子駅前の大通りは「桑並木通り」という名称となっています。これはかつて、全国でも珍しい桑の木の街路樹が植えられていたことにちなみます(現在では、マロニエ、つまりベニバナトチノキが多く植えられています)。他にも、桑の字は東京都立「八王子桑志(そうし)高等学校」のように学校名に使われたり、会社名や商品名にも使用されています。

八王子織物の新たなブランド「マルベリーシティ」


ピータイ(ネクタイ生地アクセサリー)
写真提供 八王子織物工業連合

1998(平成10)年、八王子織物工業組合は、 デザインから製織、縫製までの過程をすべて八王子で製作している「マルベリー シティ」という八王子織物のブランドを立ち上げ、ネクタイをはじめ、スカーフ・ストールの商品を生み出していますが、その名称にも桑を意味する英語の「マルベリー」が用いられています。


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