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 地域資源紹介

三原山

三原山

■指定されている場所:八丈町

三原山は、八丈島の南東側に位置する標高700mの火山で、「東山」ともいいます。伊豆大島にも「三原山」という同じ名前の山(標高758m)があるので、区別するときには「八丈三原山」と呼ばれています。三原山は約10万年前から始まった海中火山の噴火によって生まれた玄武岩質の成層火山で、はじめは八丈富士と同じように円錐形をしていました。約2万年前に大噴火があり、そのすぐ後に中央部分が大きく陥没し、直径1kmものカルデラ(火山活動でできる大きな凹地)ができました。その後も噴火を繰り返し、約3700年前の噴火以降は活動を休止しています。長年の風雨によって山は削られ、川によって谷が深く刻まれ、現在の複雑な地形となりました。三原山のすそ野の海岸線は、長い期間、海の波によって侵食されているため、50〜200mもの高さの断崖絶壁になっており、海食崖(かいしょくがい)と呼ばれています。それと比べれば、約1万数千年前の噴火で生まれた八丈富士周辺の海岸の崖はおおむね100m以下の高さしかありません。

三原山の登山コース

山頂からの眺め
山頂からの眺め

三原山に登るには、三原山の北の麓の「観光協会」から防衛道路を登る往復約13km、徒歩約5時間30分のコースや、樫立地区の「富次朗商店前」バス停から三原林道を通って車で約20分登り、「三原山登山口」からは徒歩で登山するコースなど、いくつかのコースがあります。三原山の山頂はなだらかで広く、山頂付近には電波塔や無線中継所のアンテナが設置されています。山頂からは、北には八丈富士や天気がよければ南に青ヶ島が見えます。

大池
大池

三原山一帯の地層は、湖沼堆積物や泥岩の水を通さない層の上に、スコリアと呼ばれる多孔質の火山噴出物からなる水を通しやすい層が乗っていて、地下に多量の水を保持しているため、山腹には滝、池が多く、谷沿いを流れる大川や鴨川、唐滝川、名古(なご)川の水源になっています。温暖な気候もあいまって樹木の育ちが速く、スダジイやタブノキがよく成長し樹木が鬱蒼(うっそう)としています。それに対して、八丈富士は全体が水を通しやすい地層でできていて、地層奥深くに水がすぐ透過してしまうために、泉や滝があまりありません。

小池・大池

小池
小池

三原山の山頂近くには「小池」「大池」と呼ばれる池があります。三原山の火口内は6000年前まではカルデラ湖だったと言われており、これらの池はその名残です。途中の道には岩の上や朽ちた木にコケ類やシダ類が一面に生えています。

硫黄沼と唐滝

硫黄沼
硫黄沼

「硫黄(いおう)沼」は、室町時代に作られた溜め池で、水に硫黄成分が含まれていて青みがかった神秘的な沼です。青緑色や水色、緑色など、季節や天気などにより水の色が変化します。ここには、「硫黄滝」という小さな滝もあり、絶好の撮影ポイントです。「富次朗商店前」バス停から車で5分ほど進むと唐滝・硫黄沼ハイキングコースの駐車スペースがあり、そこから唐滝川沿いの山道を約30分徒歩で登ったところにあります。

唐滝
唐滝

「唐滝」は、硫黄沼からさらに約25分登ったところにある落差36mの滝です。唐滝の向かって右側には、日清戦争の頃に火薬の原料となる硫黄を採掘した洞窟があります(危険なので立入禁止)。滝に近づくにつれて次第に険しい山道になります。

裏見ヶ滝

裏見ヶ滝
裏見ヶ滝

「裏見ヶ滝」は、滝の水がシャワーのように降り注ぐその裏を遊歩道で通ることができるのでその名がつきました。15分程度の散策コースでは、天然記念物の「ヘゴシダ」が茂る亜熱帯性のジャングルを通ります。遊歩道の途中には玉石が並んだ急傾斜の階段のある「為朝神社」があります。 ハイキングで一汗かいたら、滝の入口付近にある入場無料の露天風呂「裏見ヶ滝温泉」がお勧め。泉質はナトリウム-塩化物強塩泉。男女混浴で水着の着用が必要です。せっけん・シャンプーは使用不可です。八丈島にはいくつもの温泉がありますが、この裏見ヶ滝温泉と同様に三原山の南側に集中しています。

ポットホール

ポットホール

「ポットホール」(pot hole)とは、流れの中の小石が水流で回転し、長い年月をかけて水底の岩に大きな穴を作ったものです。八丈町では末吉の森の奥深くに、直径や深さが1mを超すほどの大きなポットホールが見られ、八丈町の天然記念物に指定されています。

三原山一帯は、自然豊かで地質学的にも興味深い場所が多数あります。これらを散策する際は、すべる場所も多いので動きやすい服や靴で歩くとよいでしょう。

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