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地域産業資源紹介


八丈島産春トビ

■指定されている場所:八丈町

「春トビ」とは、八丈島で「ハマトビウオ」Cypselurus pinnatibarbatus japonicus)を指す言葉です。春に産卵のため群れで伊豆諸島沖に来遊することから「春トビ」と呼ばれています。春トビは東京都の中央卸売市場に送られたり、島内では干物やくさや、また練(ねり)製品の材料として消費されます。

春トビと夏トビ

ハマトビウオはダツ目トビウオ科の魚で、体は細長く、体の中央付近での断面は角張っていて、逆三角形をしています。胸びれが非常に長く、海面上にジャンプする際に胸びれを羽のようにして滑空することができます。トビウオの仲間は日本近海で30種類以上が知られていますが、ハマトビウオは体長が50cmに達する最も大型のトビウオです。八丈島では、春トビ漁の時期が過ぎた初夏から初秋には、本トビと呼ばれる「トビウオ」Cypselurus agoo agoo)や、「セミトビ」と呼ばれる「アヤトビウオ」 Cypselurus poecilopterus) 、「ツクシトビウオ」Cypselurus doederleini)、「オオアカトビ」Cypselurus stuttoni)、「オオメナツトビ」Cypselurus unicolor)などいくつもの種類のトビウオが獲られ、それらは総じて「夏トビ」と呼ばれています。夏トビは数種のトビウオを指しますが、春トビは「ハマトビウオ」一種のみを指します。夏トビは春トビに比べると小さいトビウオです。近年では、夏トビ漁はあまり行われておらず、通年水揚げが安定し、高値で取引されているキンメダイが八丈島における春トビ以降の時期の漁の主流となっています。

ハマトビウオの生態

暖かい黒潮の流域である伊豆諸島近海は、トビウオの好漁場となっています。ハマトビウオは、春に八丈島に寄った後、伊豆諸島沿いを北上し、夏は三陸から北海道沖で生活します。伊豆諸島沿岸で産卵しますが、1尾のトビウオが直径約1.8mmの卵を約3万個産みます。ハマトビウオには、冬から春にかけて再び伊豆諸島に戻ってくるグループと、そのまま鹿児島の屋久島や種子島付近まで南下するグループが知られており、そのためハマトビウオは鹿児島県や宮崎県でも水揚げされています。

春トビ漁

八丈島の春トビ漁の時期は2〜5月で、「流刺網(ながしさしあみ)」が用いられています。刺網漁は魚の通り道を遮るようにして網を張り、泳いできた魚が網目に刺さったところを漁獲します。碇などで刺網を固定する「固定式刺網」に対して、「流刺網」は固定せずに潮流によって網を流します。この漁で使われる網目の大きさは、ハマトビウオの頭に合わせてあり、それよりも小型の魚はこの網にかかりません。春トビ漁では、夕方に出漁し、翌朝には帰港するという夜の仕事のため漁師たちは眠い中作業しますが、その日のうちに水揚げするため、鮮度は抜群です。八丈島のハマトビウオの水揚げは、伊豆・小笠原諸島最大の漁獲量であり、八丈島の漁業において重要な地位を占めています。1960年代には八丈島で一年間に約500万尾という記録的な漁獲量でした。1980年代に漁獲量が一時期減少しましたが、トビウオの資源管理の取組みにより近年は回復の傾向を示しています。


春トビの料理

ハマトビウオは胸びれを動かす筋肉がとても発達しており、身は脂が少なく上品で淡白な味わいの魚です。新鮮なものは、刺身が絶品です。他にも、たたきや塩焼き、フライや天ぷらも美味です。さらに、さつま揚げやつみれ汁などの練製品にも活用されています。

写真提供:東京都島しょ農林水産総合センター 八丈事業所


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