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地域産業資源紹介


亀戸ダイコン 撮影協力 島田安雄

江戸東京野菜

■指定されている場所:小金井市

「江戸東京野菜」とは、江戸時代および明治・大正から昭和40 年代頃にかけて、東京都内の農地で数世代以上にわたって栽培されていた在来種、または在来の栽培法によって育てられた野菜のことをいいます。「江戸野菜」ではなく「江戸東京野菜」と呼ばれているのは、江戸時代にはなく明治以降に生み出された品種(馬込三寸ニンジンやシントリ菜など)も含まれているからです。また、江戸時代に「江戸」の範囲に入っておらず、後に東京都に含まれるようになった多摩地域や伊豆諸島で栽培されていた野菜も含まれています(小金井マクワ、八丈オクラなど)。「江戸東京野菜」という名称は、小金井市の「江戸東京野菜でまちおこし連絡会」によって最初に命名されました。

江戸東京野菜とは

現在、JA東京中央会の「江戸東京野菜推進委員会」によって以下の49 品目の野菜が江戸東京野菜として認定されています(2018年現在)。

「練馬ダイコン」、「伝統大蔵ダイコン」、「亀戸ダイコン」、「高倉ダイコン」、「東光寺ダイコン」、「志村みの早生ダイコン」、「汐入ダイコン(二年子ダイコン・時無しダイコン)」、「品川カブ・滝野川カブ(東京長カブ)」、「金町コカブ」、「下山千歳白菜」、「ごせき晩生小松菜」、「城南小松菜(伝統小松菜)」、「シントリ菜(ちりめん白菜)」、「青茎三河島菜」、「のらぼう菜」、「奥多摩ワサビ」、「砂村三寸ニンジン」、「馬込三寸ニンジン(馬込大太三寸ニンジン)」、「滝野川大長ニンジン」、「ミツバ(小山田ミツバ・白ミツバ)」、「アシタバ」、「内藤トウガラシ」、「寺島ナス(蔓細千成ナス)」、「雑司ヶ谷ナス(改良中山ナス)」、「おいねのつる芋」、「馬込半白キュウリ(馬込半白節成キュウリ)」、「高井戸半白キュウリ」、「白岩ウリ(シラヤウリ)」、「本田ウリ」、「小金井マクワ」、「東京大越ウリ」、「鳴子ウリ・府中御用ウリ」、「内藤カボチャ・角筈カボチャ・淀橋カボチャ」、「雑司ヶ谷かぼちゃ」、「滝野川ゴボウ」、「渡辺早生ゴボウ」、「砂村一本ネギ」、「千住一本ネギ」、「拝島ネギ」、「早稲田ミョウガ」、「谷中ショウガ」、「八王子ショウガ」、「東京ウド」、「タケノコ(孟宗竹)」、「三河島エダマメ」、「川口エンドウ」、「八丈オクラ」、「あめりか芋(アメリカ芋)」、「足立のつまもの(穂ジソ、ツル菜、木の芽、鮎タデ、あさつき、メカブ、紫芽)」。さらに、野菜ではないものの「伝統作物」として、「練馬金子ゴールデン」(ムギ)、「柳久保小麦」(ムギ)、「古里1号」(粟)、「平山陸稲」(稲)、「多摩川梨」(梨)、「禅寺丸柿」(柿)が参考登録されています。


江戸東京野菜の紹介

小金井市で栽培されている江戸東京野菜には、「シントリ菜(ちりめん白菜)」「のらぼう菜」「伝統大蔵ダイコン」「亀戸ダイコン」「馬込半白キュウリ(馬込半白節成キュウリ)」「小金井マクワ」「寺島ナス(蔓細千成ナス)」「金町コカブ」「馬込三寸ニンジン(馬込大太三寸ニンジン)」などがあります。


シントリ菜(ちりめん白菜)

「シントリ菜(ちりめん白菜)」は、シャキシャキとした歯ざわりが特徴です。料亭では高級食材として茎の芯のところだけを取って汁物などに用いたため、「シントリ」という名前が付けられました。生食でも使え、サンドイッチにはさめば、鮮やかな色合いで見た目もきれいです。


のらぼう菜

「のらぼう菜」は、江戸時代以前から導入されたセイヨウアブラナの子孫で、種は油を採るために、また葉やつぼみは食用に使われてきました。天明の大飢饉(1782〜88年)及び天保の大飢饉(1833〜39年)の際に、人々を飢餓から救ったという記録が残っています。葉も茎も柔らかく、浅漬けや炒め物にも最適です。


伝統大蔵ダイコン

「伝統大蔵ダイコン」は、豊多摩郡(現在の杉並区)で、「源内」という農民が作り出した「源内つまり大根」が源とされています。大型で根の先まで太く、青首大根に比べて水分が少ないダイコンです。味しみが良いためおでんや煮物に向いています。


亀戸ダイコン

「亀戸ダイコン」は、文久年間(1860 〜64年) の頃から昭和初期までの長きにわたり、亀戸の香取神社周辺で栽培されたダイコン。浅漬けやぬか漬けに向いています。また水分が少ないために、天ぷらやフライにしてもおいしく食べられます。根は約30cmと短く、先がとがっています。近隣の小中学校でも栽培されており、学校で育てられ春一番に収穫した亀戸ダイコンが、香取神社に持ち込まれ収穫祭が行われています。もとは首の青いものと白いものがありましたが、江戸っ子は白いものが粋と考え、白い物が選ばれていき、現在の白い亀戸ダイコンとなりました。


馬込半白キュウリ(馬込半白節成キュウリ)

「馬込半白キュウリ(馬込半白節成キュウリ)」は、上が薄い緑色で下半分が白いのが特徴。明治中期に品種改良により作り出されました。水分が少なめで、ぬか漬けに適しています。見た目を楽しみながらもろきゅうで味わうのもオススメです。


小金井マクワ

「小金井マクワ」は、元和年間(1615〜24年)に、美濃(みの・現在の岐阜県南部)の真桑村(現、本巣市)の農民を江戸に呼び寄せ、御前栽畑(幕府直轄の畑)で栽培させたマクワウリが元となっています。小金井マクワは、小金井の農家が復活させたことに基づきます。水分が多く甘みがあり、果物として食されてきました。


寺島ナス

「寺島ナス(蔓細千成ナス)」は、寺島村(現在の墨田区東向島付近)が産地として知られたニワトリの卵ほどのサイズのナス。小型で身が詰まっており皮が固いですが、焼きナスにしたり、揚げ浸しにすると美味しいナスです。


金町コカブ

「金町コカブ」は、明治末期に金町(現在の葛飾区東金町)で、青物が乏しい春先のために早採りできるよう「下千葉中生」というコカブを品種改良してできました。小ぶりで皮が薄く、きめ細やかなのが特徴です。金町コカブを親として数多くの白カブが品種改良により作られています。漬物はもちろん、煮崩れしにくいので煮物にも向いています。


馬込三寸ニンジン(馬込大太三寸ニンジン)

「馬込三寸ニンジン(馬込大太三寸ニンジン)」は、幕末に伝わった西洋種のニンジンを品種改良して生まれました。長さ10cmほどの小型で、甘みが強く、生でも煮ても揚げても美味しいニンジンです。

江戸時代、参勤交代で全国から集まった諸大名は、江戸で暮らしている際にも懐かしい郷土食が食べたいと考え、自分の藩から野菜の種を取り寄せて江戸の下屋敷で育てさせました。日本各地から持ち込まれた野菜が、やがて江戸周辺の農家に伝わったものもあります。江戸東京野菜の中には、このように江戸時代から栽培され続け、やがて東京の気候風土にあった品種となったものもあります。


江戸東京野菜の特徴

現在、日本の農家が栽培している野菜の多くは、F1品種(雑種第一代)と呼ばれる交配種です。これは、異なる品種を掛け合わせ、それぞれの良い形質を受け継いだ一代限りの雑種です。例えば、味が甘い、虫や日照りに強い、均一に育つといった形質を持つため、生産者は効率よく農産物をつくることができます。しかし、育った野菜同士で受粉した種を取っても同じような野菜にはならないため、栽培するたびに種苗業者から種や苗を購入しなければなりません。それに対して、江戸東京野菜は自家採種ができる固定種です。収穫量が少なく栽培に手間がかかり、育ち方や形が不ぞろいだったり収穫できる季節が限定されてしまいますが、江戸東京野菜には、独特の風味や香りがあり、どれも個性的で、個々の野菜にはそれぞれの物語があります。

戦後、東京の農地減少に加え、農家がF1品種を育てるようになったため、伝統野菜は消滅しかけていました。しかし、江戸東京野菜の復活を目指す研究者や昔ながらの野菜の味を残すことに賛同する農家の努力により、伝統野菜は今も引き継がれています。江戸東京野菜は、東京のブランド野菜として各種イベントで注目を集めています。


小金井市での取り組み

江戸東京野菜は時期によっては、生産農家の庭先売りやJAの販売所、大手スーパーや大手デパートの江戸東京野菜コーナーなどで購入することができます。近年、給食のメニューに江戸東京野菜を使う学校が増えています。また、小学校への食に関する出前授業で江戸東京野菜について紹介したり、小中学校の保護者を対象にした食育の講座で江戸東京野菜を用いた料理を紹介する活動も行われています。

都内では、江戸東京野菜を積極的に料理に用いるレストランも増えてきています。小金井市では江戸東京野菜をアピールするために、様々なイベントやキャンペーンを進めています。例えば、2018年12月から2019年3月の期間中、市が認定した「江戸東京野菜使用店」で、江戸東京野菜を使った料理を食べた方に、オリジナル缶バッジをプレゼントするキャンペーンが実施されました。


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