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地域産業資源紹介


さざえ

■指定されている場所:大島町、利島村

さざえは、刺身や殻ごと焼いた壺焼きが絶品の、日本の代表的な食用巻貝。寿司のネタや塩漬け、また炊き込みご飯や酢の物としても食されています。縄文時代の各地の貝塚からさざえが多数出土しており、古代人も好んで食べていたことが知られています。

さざえは、太平洋側は房総半島から九州にかけて、日本海側では北海道南部から九州にかけて分布しています。伊豆大島は富士箱根伊豆国立公園に属していて、島の約97%が自然公園法によって規制されているため、生態系が十分に保護されています。さらに、伊豆大島や利島は海岸は岩場が多く、良質な海藻もよく育つために、さざえも大きく成長します。さざえが生息しているのは、水深10mよりも浅い岩礁です。伊豆大島におけるさざえの成長は、生まれてから2、3年目に殻高5cmに成長し、6年目を過ぎると10cmに達します。さざえには、管状のトゲ、いわゆるツノのあるものとないものがありますが、伊豆諸島のさざえには、立派なトゲがついているのが特徴です。また、生まれて3年目で産卵をはじめます。産卵期は夏場の7〜9月。藻食性で、様々な海藻を食べています。夜行性のため、昼間は岩影などに潜んでいます。
伊豆諸島では、さざえは主に素潜りで採られていますが、資源保護のために、7〜8月の間は漁獲禁止期間が設定されており、殻高5cm以下の漁獲禁止の殻高制限が設けられています。加えて、2000年からは、人工種苗の放流事業もおこなわれています。

伊豆諸島では、観光シーズンには船舶ターミナル付近に屋台が並び、さざえの壺焼きの磯の香りがただよい、食欲をそそります。伊豆諸島のさざえの壺焼きは、とても身が柔らかく、肝も甘みがあっておいしく、殻の中の汁も絶品です。

さざえは、食用だけでなく、古代から加工されて装飾品に用いられてきました。ヤコウガイやアワビと共にさざえの殻は、内側の真珠層を薄く切って螺鈿(らでん)細工に用いられました。戦国時代、さざえの形は、武将が身に付ける兜のデザインにまで影響を与えました。さざえの殻の固さが鎧の強度が高いことを連想させ、さざえの漢字の「栄螺」が、栄えることを連想させたために、さざえの形を模した「栄螺形兜(さざえなりかぶと)」が流行りました。また、螺旋構造がさざえに似ていることから「栄螺堂(さざえどう)」と呼ばれる仏堂が江戸時代に各地で作られました。このように、さざえは日本人の生活にとてもなじみ深いものとなってきました。

ちなみに、サザエの学名はTurbo cornutusとされてきましたが、近年、岡山大学の福田宏准教授によって、これは中国産のナンカイサザエに相当するものであり、日本産のサザエには有効な学名がなかったということが明らかにされました。

実はかつて、イギリス人の貝類学者ロベル・オーガスタス・リーブが、シーボルトが日本で採集したサザエをTurbo japonicusと命名しようとしたのですが、誤って別種の貝の標本と混同してしまい、なんとモーリシャス産の貝にjaponicusという名を付けてしまいました。結局日本産のサザエは名無しだったのです。


そこでようやく、2017年に福田准教授によって、サザエが Turbo sazaeと命名されました。はるか昔から知られていた貝だったのに、分類学的には新種というのは驚きです!

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