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TOKYOイチオシナビ 見つけて活かす東京の地域資源

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地域産業資源紹介


玩具

■指定されている場所:台東区、墨田区、荒川区、葛飾区

江戸時代初期、江戸で売られる玩具はほとんど、京都、大坂から送られてくるものばかりでした。そして、それらが荷下ろしされるのは、現在の浅草橋近辺でした。やがて、浅草寺の「板返し」(板を使ったからくり玩具)や「飛んだり跳ねたり」(割竹に乗った人形が飛び跳ねるからくり玩具)、今戸の「今戸の土人形」、白鬚(しらひげ)の「土鈴」、向島の「箱庭人形」、亀戸の「首振り人形」、本所の「張り子玩具」などの地域ごとの特色のある玩具が江戸で作られます。こうして、物流の点でも製造の点でも、隅田川付近が中心となっていました。
時代と共に、新しい玩具が登場します。江戸時代中期には、現在のヨーヨーに似た「手車(てぐるま)」が流行しました。また、「纏(まとい)」、「鳶口(とびぐち)」、「竜土水(りゅうどすい、放水のためのポンプ)」といった町火消しが用いる道具が玩具として売られます。町火消しは当時の子供たちの羨望(せんぼう)の的でしたから、今日でいう「ヒーロー玩具」に相当していると言えるかもしれません。
江戸時代中期には、大坂・京都と同様に、江戸にも玩具商の組合が存在していました。現在も大阪の住吉大社には、江戸、大坂、京都の玩具商が協力して奉納した石灯籠が残っています。

明治に入ると、欧米からの新技術やブリキ・ゴムなどの新材料が入り、新しいタイプの玩具が開発されていきました。それらの作り手となったのは、禄を失った下級武士たちや鋳掛屋などの板金加工職人たちでした。
やがて、サーベルや鉄砲、ラッパなどの戦争にちなんだ玩具や、セルロイドを用いた玩具、また、高額でしたが、幻灯機や活動写真機も出回り始めます。
第一次大戦が始まると、それまで世界に玩具を輸出していたドイツ・オーストリア・ハンガリーなどの国からの輸出が途絶え、大正時代は世界各国から日本に玩具の発注が殺到しました。
昭和10年代には、安くて優秀な点が評価され、金属製玩具や、セルロイド製玩具などが、日本の輸出雑貨の中でも、陶磁器、鉄製品、綿織物についで4位になるという活況を呈していました。世界的に見ても、世界の玩具生産高のトップであったドイツを抜いて1位になりました。
やがて、第二次世界大戦の戦前・戦中の時期には、金属は軍用に用いられたため、玩具の材料に金属が使用できなくなり、また海外への輸出も東アジアのみとなり、業界全体が極めて厳しい状態になりました。

戦後、玩具の輸出は再開しましたが、当初は進駐軍が放出したブリキ缶詰を回収して材料にしなければならないほど材料不足が深刻でした。やがて玩具の輸出は好調となり、日本は玩具で多額の外貨を獲得し、それが戦後の子供たちの飢餓を救済することに貢献したといえます。ブリキの玩具、特にはずみ車を利用したフリクション玩具は好調でした。
その後も玩具は多様化していきます。昭和30〜40年代の高度成長期には、「フラフープ」や「だっこちゃん」のようなブーム玩具が出現します。また「野球盤」のようなゲームや、さまざまな種類のプラモデルが人気を博します。やがて、「鉄人28号」「ウルトラマン」「仮面ライダー」「マジンガーZ」などのキャラクター玩具も流行しました。

近年、東京の玩具メーカーの多くが、土地の高騰の影響などから、工場は地方に移転し、本社のみ東京に残るというケースが見られます。とはいえ、現在でも浅草橋駅周辺には、玩具や人形の問屋が多く集まっています。浅草橋界隈を散策し玩具問屋をのぞいてみれば、玩具の歴史に触れることができるかもしれません。

日本が少子化の時代を迎え、子供たちが減って玩具の買い手が少なくなっています。それに対して玩具業界は、3つの「ボーダーレス化」という対策を取ってきました。

1 年齢のボーダーレス化
0歳から90代までの人が楽しめる玩具。たまごっちやルービックキューブのような、大人まで楽しむことのできる商品を作り出しています。年齢を超えた商品という点では、ブロックやトミカ、プラレールや人生ゲームは3世代にわたって楽しまれてきた玩具といえます。それらは基本は同じですが、毎年「新しい要素」が組み込まれることによって、商品が進化しています。昔ながらという点では、若手棋士の活躍のために注目されている「将棋」も、世代を超えて楽しむことのできる玩具です。

2 業種のボーダーレス化
携帯やスマホのような通信業界やアパレル業界といった異業種との連携・コラボによって新しいタイプの玩具を開発しています。

3 国境のボーダーレス化
世界や世代を超えて受け入れられる玩具を目指します。


最後の国際化という点では、世界中に広まったキャラクター(ガンダム等)の活用や、「材料や品質の面での安全性」、「本物という安心感がある」といった日本の製品の強みを海外にアピールしています。さらには、日本のものづくりの技術力を生かした精巧なロボットや、AIやVRといった最新技術を盛り込んだ玩具開発が進んでいます。

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